ブックレビュー 『100歳まで長生きできるコレステロール革命』

先日の溝口クリニックでの座談会を受けて、
「コレステロール」に関する書籍をピックアップしてみました

100歳まで長生きできるコレステロール革命
東海大学名誉教授 大櫛 陽一

CapD20130611

 

 

 

 

 

 

 

コレステロールに関する従来の間違った常識をことごとく覆す内容です
コレステロールは、ビタミンDを生成したり、
細胞膜、胆汁酸、ステロイドホルモン、性ホルモン、脳や神経細胞の原料となります

コレステロールの脂質(油)は、そのままでは血液と馴染みにくいので、
水にも脂質にもなじむ、アポタンパクと呼ばれるものに包まれた状態で運ばれます。
アポタンパクと脂質が結びついたものをリポタンパクと呼びます

 

とかく悪者にされがちなLDLコレステロールですが、
必要なコレステロールを全身に運び届ける重要な機能を持っています

動脈硬化を生じた欠陥にLDLコレステロールが発見された事から「悪玉」扱いされてしまうようにな
ったのですが、動脈硬化を引き起こしていた、真の原因は血管炎症であり、
LDLコレステロールはその炎症を修復する目的で細胞膜の材料をせっせと運んでいただけなのです

家族性高脂血症などの一部の例外を除き、
薬などで無理にコレステロールを下げると、生体にとって必要な栄養が十分に行き渡らず
免疫機能を低下させると指摘しています

本書では、コレステロールが高い方が、
日本人は長生きしやすい事を証明したデータやグラフも掲載しています

年齢を重ねると共にコレステロール値が上昇するのも自然としています
細胞膜の材料となる訳ですが、細胞の新陳代謝が衰えるに従い、
老化を補う為にコレステロール値が 高くなるのは必要な変化という訳です


こうした裏付けデータが存在するにも関わらず、
未だにLDLコレステロール悪説が一般論として語られる背景には、
製薬メーカーによる利益偏重や学会や医師に対する見返り(多額の寄付)が存在するとの事

LDLコレステロールの基準値は米国に比較して20mg/dlも低い数値に設定されているため、
多くの人が病人(高脂血症)に仕立て上げられています

不必要なコレステロール低下治療における
その副作用に関しても警告を鳴らしています

1. 横紋筋融解
2. ミオパシー (筋肉痛、筋肉圧痛)
3. 肝機能障害、黄疸
4. 血小板減少

この他にも、うつや睡眠障害、記憶障害、発がん、多発性神経炎などの副作用も明らかになっている
そうです

 

コレステロール及び中性脂肪と様々な間違いを踏まえた上で
肥満や糖尿病などの生活習慣病の原因は「炭水化物(糖質)」にあると唱え
糖質制限を推奨されています

 

巻末には、大櫛先生らが考える
健康診断の新しい基準値が付録されており、
脂質や血糖、肝機能の数値など参考になります

 

コレステロールは高い方が良いのか、低い方が良いのかについては、
各学会により意見が二極化しているそうです

 

代謝異常がある場合は例外として、
脂肪分の多い食材やコレステロールを沢山含む食品を摂取しても
生体データへの影響が無いならば、積極的に摂って行くことが望ましいと感じています

 

コレステロールという切り口から論旨が展開される本ですが、
栄養療法や糖質制限の観点からも、大変参考になる書籍です

 

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