ブックレビュー 『うつは食べ物が原因だった』

2009年に出版された溝口徹先生の書籍です

 
「うつ」は食べ物が原因だった!

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江部先生の書籍と同じく、今更紹介するまでも無い一冊ですが、
溝口先生の代表作ですので、ブログでご紹介したいと思います。

 

うつ病に対する、栄養療法(オーソモレキュラー)の有効性を示された本です

精神疾患における従来の投薬治療を根本から見直し、
脳が正常にはたらく仕組みを、分子レベルで生化学的に捉えた治療法を紹介しています

ヒトの感情に影響を及ぼすのが、神経伝達物質です
興奮系:ドーパミン、グルタミン酸、アセチルコリン、ノルアドレナリン
抑制系:GABA(γアミノ酪酸)
調整系:セロトニン

これらのバランスを取ることによって、ヒトは感情をコントロールしているのですが、
脳内の均衡が崩れると、イライラや不安、恐怖、悲しみで心が沈んだりしてしまいます。
本書では、こうした神経伝達物質の合成メカニズムや
その過程で必要とされる原料(タンパク質やビタミン)の重要性も説いています。

 

今では比較的一般にも知られるようになりましたが、
糖質(ブドウ糖)の過剰摂取がうつ病症状を引き起こす原因である事や
低血糖症と糖尿病が表裏一体である事も指摘しています

 

「糖質制限」や「栄養療法」という言葉が浸透していなかった当時、
精神疾患の原因が食べ物にあると主張するのは前衛的且つ実験的なことだったのかもしれません。

 

1950年代に、精神科医 エーブラム・ホッファーらが
ナイアシン(ビタミンB3)が統合失調症および他の多くの精神病に有効な治療法である事を立証

ノーベル化学賞・ノーベル平和賞を受賞した
ライナス・ポーリングが1968年にサイエンス誌上で「分子整合栄養医学」提唱

こうした先人達の画期的な理論がここまで普及しているのは、
溝口先生の書籍や学会活動があったからこそだと思います

臨床現場での実績もまとまり、
今日では、ドクターのみならず、一般の人達からも新たな治療アプローチとして注文されています

正に、日本における栄養療法の第一人者です。

 

精神疾患における問題を抱えていない方であっても、
普段摂取している栄養素が脳にどう作用し、ヒトの心情に影響を及ぼしているか
本質に迫る一冊です。

 

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