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ブックレビュー 『脳からうつが消える低糖質レシピ』

2013年 6月に出版されたばかりの溝口徹先生の新書

脳から「うつ」が消える低糖質レシピ

新宿溝口クリニック 院長 溝口 徹
管理栄養士 大柳 珠美

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溝口先生は以前より
うつ症状は高糖質な食事によってもたらされると主張なさってきました

 

 

本書では、栄養素(タンパク質)摂取を起点とした
脳内神経伝達物質の合成過程を分かりやすく図式し、
「脳の栄養不足」から心の病をタイプ別に解説しています

 

うつの原因となっている 脳の栄養不足 を会食するための低糖質・高タンパクな献立が満載です

 

レシピ担当は、
糖質制限・栄養療法を専門とした超売れっ子管理栄養士、大柳珠美氏

 

患者の嗜好や食に対する価値観、現代の食文化を踏まえた上で
極端な我慢や忍耐力を強いない、実践可能な糖質制限を行う

抜く時は抜き、食べる時は食べる

という同氏の持論には大変共感致します

 

今日からすぐに作れる手軽で実用的なメニューばかりです
詳細は書店で実本をお手に取って頂きたいですが、ここでは一部をチラッとご紹介

 
鶏ひき肉と野菜のミートローフ

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高野豆腐のスナック

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おからのガトーショコラ風

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お薦めの一冊です

 

 

真逆のパラダイムから見る事の重要性

 

Fit for Life 
Harvey Diamond and Marilyn Diamond

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フィット・フォー・ライフ 健康長寿には「不滅の原則」があった!
ハーヴィー・ダイアモンド/マリリン・ダイアモンド (著) 松田 麻美子 (翻訳)

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米国でベストセラーになった食事療法の本です

本書によれば、ナチュラル・ハイジーンの基礎的な考えは、

体は健康を求めていつも努力しており、
有害な老廃物を自ら絶えず浄化する事によって、それを成し遂げようとしている

というアイディアに基づいており、

ナチュラル・ハイジーンに基づく食事量が、人間の身体をケアし、大切に維持するための最も優れた方法
と、紹介されています

 

ヒトの「排泄サイクル」を適切にする事が減量(解毒)に繋がると唱え
老廃物を溜めこまない為の三原則として、以下を提唱しています

 

1. 水分を多く含む食べ物を食べること

水分を多く含む、生の野菜と果物を摂取することにより、
ビタミン、ミネラル、タンパク質(アミノ酸)、酵素、炭水化物、脂肪に至るまで
人間が要求する栄養素は全て賄えらえる

凝縮食品(パン、米、肉、魚、乳製品など)は、30%程度に抑える

 

 

2. 食べ物は正しく組み合わせて食べること

人間は2つ以上の凝縮食品(パン、米、肉、魚、乳製品など、果物と野菜以外の食品)を
胃で同時に消化するようには作られていない

肉とジャガイモ、魚とご飯、鶏肉と麺、卵とトースト、シリアルと牛乳
このような組み合わせは、消化器官に負担を与え、組織中に有害な老廃物を作り出す
胃の中で、タンパク質は腐敗し、炭水化物は発酵し、体内で有害な酸を発生させる

2つの異なるタンパク質を同時に摂取する事も控える
(肉と魚、肉と卵、魚と卵など)

野菜は特定の消化酵素を必要とないので、
肉やパンは野菜と一緒に食べ、1回の食事では1つの凝固食品のみを摂る事が理想的な消化形式

 

 

3. 果物を正しく食べること

ヒトは肉食でも草食でも雑食でも無く、「果食動物だった!」そう…

果物こそがヒトの構造や機能から、人類がすんなりと受け入れられる事が出来る唯一の食べ物
果物はほかの食べ物よりも、消化するのに僅かなエネルギーしか必要としない

・(加熱、調理せず)新鮮な果物だけを食べる
・空腹時にのみ食べる

果物では太らないので、朝は果物とフレッシュジュースだけにする

 

最もインパクトがあったのは、
第10章 「現代人はタンパク質を取り過ぎている」

人間の身体は肉を食べるようにはできていない
(ヒトと肉食動物を生理学的な側面から比較)

ヒトの身体のタンパク質は、タンパク質を食べる事によって体内で作られるのではなく、
食べ物(植物がベスト)に含まれるアミノ酸から作られる

動物性タンパク質が重要な栄養素である事やビタミンB12の不足を気にするのはナンセンス

不飽和脂肪酸を含む、EPAやHDAに関しても、魚は水銀などの汚染があるため、
オメガ3系の脂肪酸摂取については、魚よりもフラックスシードやクルミ、緑黄色野菜が最適

 

第11章では、「牛乳は健康食品などではない」 ともしています

ジェイン・プラント著 「乳がんと牛乳」 に通じる内容も散見されますね

 

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分子整合栄養医学や糖質制限とは、根本的に概念や主義が異なります

 

根本的にベジタリアン志向の考え方のようです
ですが、筆者は決して肉食を批判したり、読者にナチュラル・ハイジーンを強要するという事はしていません

 

本国アメリカのアマゾンには、実に270ものレビューが記載され、
1980年代には既にこの食事療法が確立されていたようですから先駆的です

本書は、重要な部分が太字で簡潔に書かれている為、重点は手っ取り早く理解できます

 

一方で、著者の論拠を下支えする、
栄養学的、生化学的に見た場合の裏付けや因果関係は説明が不足している感は否めません

 

日本語版では、翻訳者による注釈、レシピの紹介、Q&Aなど、
実にきめ細やかな加筆がなされ、ページの厚さに寄与しています

 

果物の摂取に関して、血糖は上がらないのだろうか?
と疑問に思ったところ、正にそのQ&Aが末尾に記載さていました

問1:  
果物は果糖が多く、血糖値を上昇させてしまうのではないか?

回答:
・果物は空腹時に正しく摂取されている限り、いくら食べても血糖値の上昇を心配する必要はない
・菓子などの炭水化物よりも性質が複雑で、血中へゆっくり吸収される
・果糖は、肝臓や細胞に取り込まれる際、インスリンの助けを必要としないので、
インスリンの使い過ぎによる枯渇や、 膵臓疲弊させる事はない
・万が一、食べ過ぎるような事があったとしても、菓子の場合のような弊害は殆ど起こらない

 

この見解は妥当なものでしょうか?
個人的には腑に落ちない部分もあります

 

栄養療法や糖質制限とは対照的な理論ですが、
十数年経過しても尚、信頼・指示され続ける理由があるのでしょう

実際、この食事療法を通じて、心身共に健康でいる方も沢山いるはずです

本書には記載されていない生化学的なメカニズムや科学的エビデンスも存在するのかもしれません

栄養療法や糖質制限を実践していると、提供される情報を鵜呑みにしてしまい
視野が狭くなったり、柔軟な感が方から遠ざかっていると反省する瞬間があります 

正反対の側面から敢えて物事を見る」 事の重要性を痛感しました

異なるの見解や批判的な意見に耳を傾ける事で、
栄養療法や糖質制限の意義を客観的に捉えると共に、
更に理論を補強するヒントも得られると考えています

 

世の中には、数えきれない程の健康法や食事療法が存在します

他メソッドでも、理にかなっている思ったポイントや相性の良いやり方は、
自分で適切に判断、検証しながら上手く取りいれて行きたいものです

勿論、時と場合に応じて、専門家からのアドバイスも必要です

多分に示唆に富んだ内容の書籍です

 

分子栄養学

糖質制限と並んで、栄養療法は新たな治療手段の1つとして注目されています

そんな中、栄養療法を包括的に学びたいと思っていても、
一般人向けに書かれた書籍や講義、セミナー等は現状存在しません

 

インターネットで分子整合栄養医学と検索しても、そこに存在するのは断片的な情報ですし、
うつや癌への治療、アンチエイジング、サプリメント摂取など
テーマは多岐に渡り、趣旨は分散します

 

「栄養療法」 「分子整合栄養医学」 「分子栄養学」など、
調べるキーワードによっても、導き出される情報は違ったニュアンスを帯びてきます

 

-栄養療法における系譜
ライナスポーリング始め、日本の化学者や医師がどのような変遷を経て栄養療法を知る所となり、
研究は臨床の場に持ち込むに至ったのか?

-関連分野との区分
分子生物学や細胞学、生化学など、関連分野からどのような影響を受けつつ、分子栄養学の概念が確立されたのか?

-臨床現場における有効性(エビデンスデータ)
疾患ごと、症状ごと、程度ごとの治療内容や効果
個体差を鑑みた上での治療内容とその結果

 

少々学問的な内容になるかもしれませんが、
こうした基礎的知識の土台が築かれてこそ、栄養療法が正しく普及していくのでは無いでしょうか?

 

もっと言えば、
・血液データの見方
・疾患別に必要な栄養素
・サプリ処方
などに関しても、
医科歯科のドクター以外にも開放しても良いのでは無いかと考えています

 

ドクターが初めて栄養療法を学ぶ時
一般人が初めて栄養療法を学ぶ時

スタート時点における知識の差はそれ程無いのかもしれません

 

現時点では、体系的に纏められた書籍は一般化されておらず、
栄養療法の本質に迫ろうとすると、
先に述べた学問分野にも見識を広める必要が出てきます

 

「ヒトの身体の細胞を分子レベルで捉え、充分な栄養を摂取する事で自然治癒力を向上させ、疾患を改善する」

栄養療法を語る上での常套句ですが
何となく分かったようで、分からない…

 

掘り下げてみると結局はDNA(遺伝子)に辿り着きます

 
下記書籍の冒頭部には、分子整合栄養医学が拠り所とする
ヒトの細胞分子機能や分子生物学との密接な結びつきが記載され
栄養療法の根幹を会得する大きなヒントを与えてくれます

 

内容は難解で、専門分野のプロフェッショナルではないと読みこなせない箇所が多分にありますが
冒頭箇所を読むだけでも核心部分に迫った情報が得られると思います

 

栄養と遺伝子のはなし
佐久間 慶子

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分子栄養学 第2版
垣沼淳司

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ブックレビュー 『100歳まで長生きできるコレステロール革命』

先日の溝口クリニックでの座談会を受けて、
「コレステロール」に関する書籍をピックアップしてみました

100歳まで長生きできるコレステロール革命
東海大学名誉教授 大櫛 陽一

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コレステロールに関する従来の間違った常識をことごとく覆す内容です
コレステロールは、ビタミンDを生成したり、
細胞膜、胆汁酸、ステロイドホルモン、性ホルモン、脳や神経細胞の原料となります

コレステロールの脂質(油)は、そのままでは血液と馴染みにくいので、
水にも脂質にもなじむ、アポタンパクと呼ばれるものに包まれた状態で運ばれます。
アポタンパクと脂質が結びついたものをリポタンパクと呼びます

 

とかく悪者にされがちなLDLコレステロールですが、
必要なコレステロールを全身に運び届ける重要な機能を持っています

動脈硬化を生じた欠陥にLDLコレステロールが発見された事から「悪玉」扱いされてしまうようにな
ったのですが、動脈硬化を引き起こしていた、真の原因は血管炎症であり、
LDLコレステロールはその炎症を修復する目的で細胞膜の材料をせっせと運んでいただけなのです

家族性高脂血症などの一部の例外を除き、
薬などで無理にコレステロールを下げると、生体にとって必要な栄養が十分に行き渡らず
免疫機能を低下させると指摘しています

本書では、コレステロールが高い方が、
日本人は長生きしやすい事を証明したデータやグラフも掲載しています

年齢を重ねると共にコレステロール値が上昇するのも自然としています
細胞膜の材料となる訳ですが、細胞の新陳代謝が衰えるに従い、
老化を補う為にコレステロール値が 高くなるのは必要な変化という訳です


こうした裏付けデータが存在するにも関わらず、
未だにLDLコレステロール悪説が一般論として語られる背景には、
製薬メーカーによる利益偏重や学会や医師に対する見返り(多額の寄付)が存在するとの事

LDLコレステロールの基準値は米国に比較して20mg/dlも低い数値に設定されているため、
多くの人が病人(高脂血症)に仕立て上げられています

不必要なコレステロール低下治療における
その副作用に関しても警告を鳴らしています

1. 横紋筋融解
2. ミオパシー (筋肉痛、筋肉圧痛)
3. 肝機能障害、黄疸
4. 血小板減少

この他にも、うつや睡眠障害、記憶障害、発がん、多発性神経炎などの副作用も明らかになっている
そうです

 

コレステロール及び中性脂肪と様々な間違いを踏まえた上で
肥満や糖尿病などの生活習慣病の原因は「炭水化物(糖質)」にあると唱え
糖質制限を推奨されています

 

巻末には、大櫛先生らが考える
健康診断の新しい基準値が付録されており、
脂質や血糖、肝機能の数値など参考になります

 

コレステロールは高い方が良いのか、低い方が良いのかについては、
各学会により意見が二極化しているそうです

 

代謝異常がある場合は例外として、
脂肪分の多い食材やコレステロールを沢山含む食品を摂取しても
生体データへの影響が無いならば、積極的に摂って行くことが望ましいと感じています

 

コレステロールという切り口から論旨が展開される本ですが、
栄養療法や糖質制限の観点からも、大変参考になる書籍です

 

AERA 2013年4月29日増大号 「肉は食べるな」大間違いの根拠

「肉は食べるな」大間違いの根拠
ベストセラーで「食べろ」vs.「食べるな」ガチンコ対立勃発
長寿の秘訣か、がんリスクか/近藤誠ら3氏の最終判定は?

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例によって、インパクトのあるタイトルで読者を惹きつけていますが
中身はそれほど激しい物ではありませんでした

 

若杉友子氏の「長生きしたけりゃ肉は食べるな」の内容をベースに
近藤誠先生らが切り込むというスタイル

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肉が良いか悪いかだけにフォーカスが置かれているので、
極めて狭視的な記事なんですが、
なんせ2ページ半しか割いていませんので、お茶を濁しつつ完結させた感があります

 

栄養素と病気の捉え方
食の嗜好
個人の体質

 

色々な要素が複合的に織り交ざった上での
賛否両論があるのだと思いますが
栄養療法を実践している私個人としては
タンパク質は身体を構成する重要な枠割を果たしているので
積極的に摂取すべきだとは考えています

 

しかしまあ、食事療法も色々な考え方が存在して、難しいですね…

 

ブックレビュー 『がんになったら肉を食べなさい』

がんになったら肉を食べなさい  溝口 徹

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癌治療に対する食事療法として
「肉を控える」というスタンスの書籍が多い中、
タンパク質(肉・魚)をどんどん摂取しようと提唱されている内容です
栄養代謝や癌の特性を踏まえ、正しい栄養を摂る事によって
どのように我々の身体が癌に対抗できるかをコンパクトに分かりやすくまとめています

文庫本サイズで200ページあまりですので、
溝口先生がもっと詳細に伝えたかった事も多々あろうかと類推されますが
要点がギュッと濃縮された読みやすい構成になっています
癌細胞はブドウ糖をエネルギー源として増殖を繰り返しています

 

大量のブドウ糖が体内で消費されるため、患者さんは常に低血糖状態に陥ってしまうそうです
血糖値が低くなると、肝臓で糖新生が行われ、血中へブドウ糖を供給し続けます
糖新生における材料は、糖原性アミノ酸
これは筋肉に多量に含まれるため、糖原性アミノ酸が消費される=筋肉をどんどん削り痩せていく
結果として、体重が落ち、頬がこけ、手足が細くなってしまいます

このような、癌がタンパク質を利用して大きくなる事を根拠に
「癌になったらタンパク質を控える」という指導がなされているのだそうです

癌のタンパク質利用用は食事からの摂取量は全く関係がない
むしろ、筋肉が癌に奪われてしまわないよう、充分な量のタンパク質(プロテインやアミノ酸)を補給しましょう!というお考えです

 

癌の発生から分裂速度、治療に必要な栄養素、NK細胞、ビタミンC点滴含めたトータル栄養アプローチ、現状の癌治療の問題点など、各項目をシンプルに書かれています
○○さえ食べれば癌が治る!
○○させ実践すれば大丈夫!
という言い方は決してしておらず、癌の三大治療法(手術療法、化学療法、放射線療法)のメリットも客観的に捉えた上での提言をしていらっしゃいます

 

癌治療に対する栄養の科学の重点が詰まった本です

 

 

ターザン 糖質制限

少し前に発売された ターザン 4/11号です

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糖質制限特集

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ターザンでは、2012年10月にも大々的に糖質制限特集を組んだ号がありましたが、
再び糖質制限特集ですので、読者からの反響が大きい事を伺わせます

Tarzan (ターザン) 2012年 10/11号

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糖質制限を全面に押し出した企画で、売り切れになった書店もあったようです

 

 

2013年4月号の方には、
糖質.jpが開設した 『糖質検定』 なるものも紹介されていました

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予見なしにサラッと試した所、結果は90点

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ラカントSを製造・販売するサラヤと企画しているみたいですね

糖質制限に関して、役立つ情報が満載のサイトです

ブックレビュー 『解剖医 ジョン・ハンターの奇数な生涯』

解剖医ジョン・ハンターの数奇な生涯 ウェンディ ムーア

The Knife Man: The Extraordinary Life and Times of John Hunter, Father of Modern Surgery

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本書表紙に描かれている出産直前の妊婦と胎児の絵は衝撃的ですが
原書の表紙も大分過激です!

 

人物像のみならず、彼が構えた豪華且つ奇怪な屋敷が、
ジキルとハイドのモデルになったと伝えられる人物です

スコットランド出身の田舎者だったジョン・ハンターは
助産婦(産婦人科)を目指していた10歳上の兄を頼ってロンドンへやってくる訳ですが、
兄が開講した解剖学校の講師を務めるべく、
見習いからの立場から、解剖の腕前をめきめきと上達させていきます

ジョージ3世の統治下にあった18世紀

キリスト教による神の創造が絶対的な信条だったこの時代
ジョン・ハンターは数えきれない程の解剖を通じて、
人間の身体の仕組みや生物の進化、発達過程、健康・病気の状態を
科学的な観点から捉えていた稀有な医師でした

医学に対する彼のひたむきさは、野蛮とも思える程の狂気に発展
解剖材料(死体)を得る為に、絞首刑者の遺体を奪いあり、墓場を掘り起し、
果ては葬儀業者を買収して死んだばかりの新鮮な遺体を手に入れるまでになります

解剖で手に入れた臓器や珍しい病気、奇形はどんどんと標本にして
彼の膨大なコレクションに加えられて行きました…

 

ヒトの死体のみならず、異国の地から珍しい生き物がやってきたと聞けば
いちもくさんに飛んで行き、ライオンや麒麟、水牛やアザラシに至るまで
欲しいと思うものは、いかなる手を使ってでも手に入れたのです

ダーウィンが 「種の起源」 を唱える70年も前に、
ジョン・ハンターは進化論を考え出していたのだそう。

ジョン・ハンターが外科医(解剖医)として生きた時代のロンドンは、
著名な画家、ウィリアム・ホーガスが描いたように、
貧困、売春、アル中、腐敗、不潔がめいっぱいに詰めこまれた混沌としたご時世

ウィリアム・ホーガス
ジン横丁

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医学の分野はと言うと、
威厳前5世紀の古代ギリシャに生きた医学の父ヒポクラテスが唱えた
「あらゆる病は、血液、粘膜、黒胆汁、黄胆汁の4つの液体の不均衡によって起こる」
という教えにしがみつく、旧態依然のまま

 

本書によると、医師(主に内科医)は、患者から簡単な問診を行うのみで、不調を訴えている部位を調べる事はなかったそうです。
毒薬を服用したり、瀉血をしたり、火であぶったりと…とぞっとするような医療行為が堂々と行われていました。

人体を切ったり、血管を切開するのは、不浄な仕事であると見なされたため、
専ら外科医や床屋に委ねられたとのこと

 

そんな時代に生きたジョン・ハンターが、英国王立協会の外科医として
地位を確立し、その中に認められたあとも、病的なまでに人間・動物の解剖実験に明け暮れた日々を綴ったのがこの本です。

 

気違いとも思える彼の行動には驚くばかりですが、
自分の性器に性病をうつして病理観察したり、原因と結果を論理的に研究したり、
何事も自分の頭で考えて行動するよう研修医たちに指導した姿は
同時の医師としては極めて前衛的な事でした

 

ジョン・ハンターのエピソードを更に引き立てているのは、周囲の登場人物です

 

ジョン・ハンターの一番弟子であった、エドワード・ジェンナーは
天然痘ワクチンを開発した人物です

前述した、画家ウィリアム・ホーガスは、この時代を代表する風刺画の達人

アダム・スミスとも交流があり、ジョシュア・レイノルズには肖像画まで書いて貰っているなんて!

ジョシュア・レイノルズの作品

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晩年のジョン・ハンターの講義受講者には、
パーキンソン病を発見した、ジェームズ・パーキンソンも名簿に名を連ねていたそうです。

 
ナイフマンが生涯に渡り蒐集したコレクションは、
ハンテリアン博物館で見ることが出来るようです。
http://vicioussabrina.blog72.fc2.com/blog-entry-118.html

Hunterian Museum (公式サイト)
http://www.rcseng.ac.uk/museums/hunterian

 面白くて一気に読める内容です。

4月 新宿 溝口クリニック 座談会

4月2日に開催された、栄養療法の溝口先生による座談会に参加してきました。

座談会のテーマは 『女性と栄養障害 ライフサイクルと不定愁訴』

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・女性は男性よりも多くのニューロンを持つと言われている
 →血管障害からの回復が早い傾向がある

・左脳と右脳の結合が男性比べ優位
 →言葉を早く習得し、言語障害などを起こす率が少ない
  人の顔を認識し、直感や感性が優れている

こうした事から、一般的に女性は男性と比較して、
-話し相手がいないとふさぎ込みやすい(話す事でストレス発散)
-相手の感情や表情、態度、行動に敏感に反応しやすい
-類似的な現象を目の当たりにした時に、以前の体験や行動をフラッシュバックし、ストレスを再想起させる
事が多いようです

詳しい内容に関しては、溝口先生が出された
「女性の脳」からストレスを消す食事
糖質制限をするだけで、女性特有の不安、イライラがスッキリ解消!
を参照下さい

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女性は、相手の表情や声のトーン、言葉の遣い方など様々な要素を敏感に感じ取り、相手を観察しています。

実際に口にした意見や言葉を『額面通り』に受け取ってはいけない場面も多々あります。
言葉の裏を常に探り当てなくてはならない、複雑な生き物なのでしょう。

話す事自体が女性にとってはストレス発散になる一方で、
ぎくしゃくした会話や相性が悪い相手とのコミュニケーションは多大なストレスをもたらすのです。

 

今回の座談会では、そうしたストレス軽減のための栄養素や代謝酵素などについてもお話を伺う事が出来ました。

プロゲステロンとエストロゲン、甲状腺機能に関しても言及なさっていました。

生理不順やPMSなどで悩まれている患者さんもクリニックにいらっしゃるとの事。

今回の内容は専門性が高く、スライドも掛け足で進みましたので、なかなか自分の理解が追いつかない部分もありました。

徐々に知識を積み重ねる事で、点と点のまばらな情報が線として繋がり、体系化された知見にしていきたいなと考えています。

次回は5月7日の開催です。

糖質制限ブーム席巻

昨今の不況の中、女性誌が相次いで休刊、隔月発行に移行している最中
月刊化されたという勢いのある女性誌です

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大きな見出しで 『糖質オフダイエットのススメ』 なる特集が組まれています

Tarzanなどの運動・健康系雑誌はもとより、
ファッション雑誌やサブカルチャー系の雑誌でも糖質制限にスポット当てた記事を多く見かけるようになりました

しかも、取り扱い内容も大々的な物になりつつあるようです
炭水化物や砂糖の摂取は気を付ける必要がありますが、
カロリーを気にしなくて良いという所が受けているのかもしれません

これまでのダイエットの常識を覆すような新たな価値観が登場した訳ですからな

しかも、実践直後に体重減量という即時的な効果が目に見えて表れるのは
女性にとってこの上ない事でしょう

 
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記事の内容をウムウムと読んでいますと、
監修は伊達式ダイエットでお馴染みの伊達友美先生でした

伊達友美先生 ブログ

 

空前のブームに沸く糖質制限ですが、
熱しやすく冷めやすい日本人の慣習に習い、結局は一過性の流行に終わってしまう…
そんな状況には決してなって欲しくないなと感じています

 

『糖質制限』という言葉が世の中に浸透し、
『ベジタリアン』や『マクロビオティック』同じように、
説明不要で認識される選択肢の1つとして広まれば糖質制限者としては嬉しい限りです